食物性のアレルゲン

卵白  |  牛乳  |    |  小麦  |  ピーナッツ  |  大豆  |  ヘーゼルナッツ  |  エビ

 f1 卵白

アレルゲンに関する記述

野鴨属(Gallus spp.)

卵は、乳児における有害反応の主な原因のひとつであり、それと気付かずに暴露していることがよくあります。

鶏卵は、約60%の卵白と30%の卵黄から成ります。卵白はおよそ88%の水分と10%のタンパク質を含んでいます。

卵白由来の主なアレルゲンは、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン(別名コンアルブミン)およびリゾチームです。

アレルゲン暴露

予測される暴露

  • 調理済みまたは生の卵
  • パンおよびペストリー
  • パンケーキ、ソースなど多数の料理。

予期せぬ暴露

  • キャンディー
  • 飲み物
  • ソーセージ、パテなどの肉製品。

卵または微量の卵は様々な食品に含まれている可能性があり、卵にアレルギーを持つ患者は、「隠れ」アレルゲンであることが多い卵に注意する必要があります。

交差反応

  • 近縁の動物の卵
  • 鶏の卵白、卵黄、血清および肉には、共通するアレルゲンの存在が示されています。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

卵に特異的なIgE抗体は通常、アトピー性疾患を発症する小児に認められる最初の抗体です。

卵に対するアレルギーは、乳児および幼児における食物アレルギーにおいて最も一般的な原因のひとつと考えられています。卵アレルギー児を観察した際、湿疹および呼吸器症状を持つ小児の65%以上にIgE抗体が認められています。

卵白に特異的なIgE抗体によって、アトピー性呼吸器アレルギーの発現を予測できることもあります。卵白過敏性は、アトピー体質の指標として総血清IgE値より優れていると、筆者が結論付けた、乳児を対象とした追跡調査では、卵白アレルギーを持つ乳児は、7歳までに吸入性アレルギーを発現する可能性が高いことが示されています。 他の研究でも同様の結果が示されています。

卵白は多くの場合、乳児期のじんましんや湿疹の初期発現に関与しています。

年長および成人になっても続く卵の不耐性は、ペットの小鳥や鶏肉への暴露に関連している可能性もあります。

鶏の胚上で培養されたある種のワクチンは、患者に注射することにより重篤なアレルギー反応を引き起こすことが報告されています。ワクチン開発の進歩により、卵アレルギーを持つ小児のアレルギー発現リスクは低下もしくは取り除くことができたと見られています。

 

 

  f2 牛乳

アレルゲンに関する記述

ウシ属(Bos spp.)

牛乳は、乳児における有害反応の主な原因のひとつであり、それと気付かずに暴露していることがよくあります。

牛乳には多くのアレルゲン性タンパク質が含まれており、カゼイン、αラクトアルブミン、βラクトアルブミンは主なアレルゲンの一部と見られています。カゼインは、耐熱性のアレルゲンです。

アレルゲン暴露

予測される暴露

  • 牛乳、チーズ、その他の乳製品
  • パンおよびペストリー
  • パンケーキ、スープなど多数の料理

予期せぬ暴露

  • キャンディー
  • トッピング
  • ハム、ソーセージ、パテなどの加工肉
  • 調製粉乳

牛乳および乳製品は、様々な菓子製品に用いられています。加工中の混入やカゼイン酸ナトリウムの添加も報告されています。

交差反応

  • 近縁の動物の乳
  • 牛乳、牛肉、ウシの鱗屑には、共通するアレルゲンの存在が認められています。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

牛乳は、乳児における有害反応の主な原因のひとつで、アレルギー疾患の有病率は0.6~7.5%です。中にはアレルギーを一生持ち続ける患者もいます。牛乳によって誘発される喘息は、乳児においては多くの場合、食物過敏症および鼻結膜炎との併発が見られ、漿液性中耳炎を伴う可能性もあります。脱却に関し、乳児の牛乳アレルギーは、年長児や成人よりはるかに良好な予後を示しています。

牛乳に対するIgE抗体は、臨床的なアレルギーの発症に先立ち発現することもあり、体外測定は有効な予測手段になりうることを示しています。これまでに、牛乳に特異的なIgE抗体値と牛乳に対する耐性の発現には、相関関係が報告されています。

乳児における症状は通常、皮膚および胃腸(GI)に見られ、初期にはしばしば湿疹が現れます。 牛乳アレルギーを持ち続ける小児では、年齢とともに皮膚症状は軽減する一方で、呼吸器症状およびGI症状は増進します。 牛乳のタンパク質に対し早期に感作した乳児は、後に他の食物アレルギーおよび吸入性アレルゲンに対する感作を発現するリスクが高まります。

その他の反応

  • ラクターゼ欠乏症(乳糖不耐症)
  • IgE抗体が関与しない免疫反応

成人では、ラクターゼ欠乏症は、牛乳過敏症に一般的な原因のひとつです。

 

 

  f3 魚

アレルゲンに関する記述

タイセイヨウマダラ(Gadus morhua)

タラ科(Gadidae)

タイセイヨウマタラは、世界で最も重要な食用魚の一種です。この魚は、生、冷凍、燻製、塩漬け、缶入りの形で販売されています。

魚にアレルギーを持つ患者には多くの場合、喘息などアナフィラキシー反応など、劇的な症状が見られます。ある魚にアレルギーがあっても、他の種類の魚には耐性がある患者もいます。

アレルゲン暴露

予測される暴露

  • タラの身

予期せぬ暴露

  • 加工食品内の非表示成分、
  • 加工肉製品など
  • 食用油、台所用品、容器の汚染
  • 蒸気または乾燥破片の吸入

交差反応

タラ目(例:タラやメルルーサ)とサバ科の魚(例:サバやマグロ)にように、異なる種に属する魚の間には、共通のアレルゲン成分が存在していると思われます。異なる群の間におけるアレルゲン特異性の重複は、中程度と見られています。

しかし、主要なタラ・アレルゲン(パルブアルブミン)は、多くの魚種を代表するアレルゲンのひとつであると思われます。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

魚に対するアレルギー反応は、食物アレルギーの最も一般的な原因のひとつです。アトピー体質を持つ集団内の有病率は、約10%から約 40%と差があります。 ノルウェーでは、魚アレルギーは一般人口の1/1000の割合で見られました。多数の小児が牛乳や卵白に対するアレルギーから脱却する一方、魚に対するアレルギーを持つ小児は後年も魚に対する過敏性を維持する可能性があります。

魚アレルゲンに対する反応は多くの場合、重篤です。複数の調査において、魚の摂取後だけでなく、魚の調理中または処理に関連して蒸気または噴霧を吸入後、あるいは魚と皮膚の接触後に生じる全身性反応が報告されています。

極めて敏感な患者は、魚の調理に用いられた油を再利用して調理された食物を摂取後、または汚れた調理器具や容器が用いられた場合、アナフィラキシー・ショックを起こしています。

多くの患者があらゆる種の魚を避けていますが、中には数種類の魚を摂取できる人もおり、これは特異的アレルゲンの存在を示唆しています。

患者は調理済みの魚と生の魚の両方に反応するため、アレルゲンは熱に強いと思われます。しかし、最近の調査では、患者は加工食品に対しては異なる反応を示すこと、アレルギー反応は種に特異的である可能性もあることが、示されています。

 

 

  f4 小麦

アレルゲンに関する記述

小麦は、イネ科に属す主要穀物の1種で、世界の大半で主食のひとつに挙げられています。

小麦には様々な種類がありますが、欧米種としては6倍体のコムギ属(Triticum)aestivum種が、最も重要な品種であることは明らかです。

小麦に含まれる主要タンパク質(アルブミン、グロブリンおよびグルテン)は、小麦の種類によって含有比率が異なります。小麦製品よって反応が異なるのは、こうし差異が一因です。

アレルゲン暴露

予測される暴露

タンパク質含有量の低い軟質小麦は、ビスケット、ケーキ、ペストリーに、タンパク質含有量の高い硬質小麦は、パン、セモリナ、クスクス、マカロニ、パスタに用いられます。デュラム小麦は、イタリアのパスタ、インドのチャパティ、中国の麺の原料です。小麦は、ビールなどアレコール飲料の原料でもあります。

予期せぬ暴露

小麦は、家畜の飼料に用いられています。小麦のでんぷんは、糊や繊維のサイジング用糊剤に用いられています。

交差反応

異なる小麦種間では広範な交差反応が、イネ科植物の花粉に対しては何らかの交差反応が予想されます。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

小麦は、小児のIgE介在(依存)性アレルギー反応の主な原因として最も重要な6種類の食品のひとつです。

摂取された小麦タンパクに対するIgE介在(依存)性アレルギー反応には、胃腸・呼吸器・皮膚の症状が含まれます。 反応は概して、小麦の摂取から1時間以内に起こります。患者は通常、乳児期に感作され、臨床反応は一般的に成人する前に消散します。

小麦に対する暴露は、生死に関わる様々なアナフィラキシー反応を招くこともあります。小麦依存性の運動誘発性アナフィラキシー(WDEIA)は、小麦または小麦粉の摂取後数時間内に激しい運動が組み合わされることにより引き起こされる、重篤なIgE介在(依存)性アレルギー反応の一種です。

小麦粉の吸入による感作は、製パン・菓子業界によく見られるパン屋喘息を引き起こす可能性があります。小麦または小麦の粉塵に対する職業暴露はまた、畜産・製パン・食品産業従事者や製粉工場労働者に影響を与えるその他のアレルギー疾患を引き起こすこともあります。

その他の反応

小麦アレルギーとセリアック病は別個の疾患です。セリアック病は、グルテンに対する不耐性に起因する恒久的な非IgE介在(依存)性反応の一種です。

 

 

  f13 ピーナッツ

アレルゲンに関する記述

ラッカセイ/ピーナッツ(Arachis hypogaea)

マメ科(Fabaceae)

ピーナッツは、木の実ではなく、一年生のマメ科植物の一種です。ピーナッツは、くるみやアーモンドなどの木の実とは対照的に、地面の近くに成育し、地下に実を結びます。ピーナッツは、マメ科植物の一種ですが、木の実は違います。

ピーナッツの栽培は、南米で始まりました。その後、ピーナッツはポルトガル人探検家によりアフリカに移植され、そこからまた、探検家達により世界各地へと広められました。

アレルゲン暴露

予測される暴露

ピーナッツは、主としてピーナッツバターや、スナック(ロースト、塩味、プレーンまたはドライローストしたもの)として摂取されますが、他の食品にも含まれています。

予期せぬ暴露

ピーナッツは、キャンディーや焼き菓子に含まれます。ピーナッツは一般に用いられる油の原料でもあります。落花生油とはピーナッツ油です。落花生粉は、様々な加工食品に含まれる重要な成分のひとつです。ピーナッツの予期せぬ暴露源には他に、アジア料理やアフリカ料理など、ピーナッツを食材として用い、レストランで供される食物があります。

交差反応

ピーナッツ・アレルギー患者の25~50%に木の実に対するアレルギー反応が見られ、クルミ、カシュー、ペカン、ピスタチオなど木の実に対するアレルギー反応は、植物学的に異なる科に属する木の実を通じ、発現することさえあります。反応は初めての暴露で起こることも多く、生死に関わることもあります。これは、純粋な交差反応によるものなのか、アトピー体質の個人の間に異なるアレルゲンが共在しているせいなのかは、不明です。

ピーナッツは、植物学的に近縁のマメ科植物と共通の相同タンパク質を有しますが、ピーナッツ・アレルギー患者の大半は他のマメ科食物に対しては臨床反応を示しません。ピーナッツ・アレルギーを持つ人は、(同じ科に属す)大豆に対する交差反応または共反応のリスクが高いと予想されますが、盲検式の食物負荷試験では、こうした反応は低い率でしか示されませんでした。しかし、ピーナッツ・アレルギー患者が大豆も避けるべきか否かについては、依然として不明です。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

ピーナッツは、成人と小児の双方において重篤な食物アレルギーをもたらす重大な原因のひとつです。ピーナッツ・アレルギーは通常、幼少期に始まりますが、他の食物アレルギーとは違い、一生を通し存続することがよくあります。耐性を構築するのは、小児の約20%に過ぎません。

ピーナッツに対するアレルギー反応は、軽度から中程度のこともありますが、他の食物アレルゲンに対する反応に比べ、重篤になる可能性が高く、生死にかかわることさえあります。アトピー性皮膚炎、血管浮腫、喘息、下痢、吐き気および嘔吐、アナフィラキシーが報告されています。じんましんは、顕著な症状です。報告されることはあまりありませんが、喘息はピーナッツ・アレルギーにおいて著しい特徴のひとつかもしれません。喘息を持つ乳児における重篤なピーナッツ・アレルギーは、アナフィラキシーの危険を抱えているため、重篤な喘息を持つ乳児全員を対象にピーナッツ・アレルギーの可能性を検討することが有益です。ピーナッツは、吸入アレルゲンとして作用することもあります。

 

 

  f14 大豆

アレルゲンに関する記述

ダイズ(Glycine max/Soja hispida)

マメ科(Fabaceae)

大豆は、熟した種子を乾燥させたもので、タンパク質に富み、人と動物双方の食物・飼料として栽培されているマメ科植物の1種です。大豆は、多くの菜食主義者や完全菜食主義者にとって重要なタンパク源のひとつです。「ソイ(soy )」という言葉は、日本語の「醤油」に由来します。

アレルゲン暴露

予測される暴露

大豆には、未加工、大豆粉に加工、圧搾して油にしたものがあります。大豆油は、様々な用途に用いられています。例えば、大豆油はサラダ油やマーガリンに含まれています。大豆アレルギー患者の中には、(常温圧搾、連続圧搾または抽出されたものでない)大豆油や大豆レシチンは支障なく摂取できる人もいる一方、極端にひどい大豆アレルギー患者は大豆油や大豆レシチン内に微量に含まれる大豆タンパクに対しても反応することがあります。

大豆および大豆を原料に含む製品(味噌、豆腐、納豆、豆鼓など)は、アジアの食事の中で重要な役割を担っています。醤油は、大豆と小麦を発酵させた製品のひとつです。

大豆油は、工業原料としても用いられており、合板製造業ではリノリウムおよび接着剤に含まれ、同産業においては職業アレルゲンのひとつと見られています。

予期せぬ暴露

大豆タンパクは、肉製品、パンおよび市販されているその他の食品多数に含まれています。しかも、大豆アレルギーの潜在的リスクを示す食品のリストは拡大を続けています。このリストの中には、大豆レシチンを含むソーセージ製品、ピザ、キャンディが含まれます。

交差反応

大豆のアレルゲン性に関する調査では既に、大豆にはマメ科の他の植物と少なからぬ交差反応を示す数種類の抗原成分が含まれていることが、分かっています。アレルギー患者の食事から食品群としてのマメ科植物を除去することの臨床的妥当性については議論されている一方、複数の調査報告書により、エンドウマメ、レンズマメ、ピーナッツ、インゲンマメ、アオイマメ、シロインゲンマメなどに対する交差反応が確認されています。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

大豆は、「古典的な食物アレルゲン」と見られており、小児がアレルギー反応を来たすことの多い食品のひとつです。大豆に対するアレルギー反応においては、胃や皮膚の疾患が優勢ですが、呼吸器症状および重篤なアレルギー反応も含まれます。様々な食品の成分としての利用が拡大する中、大豆は重篤なアレルギー反応の原因として過小評価されている可能性があります。

牛乳アレルギーを持つ乳児向けの安全な代用品としての豆乳(大豆調乳)の利用に関しては議論が続いています。

国によっては、スクリーニングの結果、大豆アレルギーがないと示された場合、豆乳を安全な代用品として推奨しています。しかし、大豆調乳を用いた際に大豆アレルギーを発現する危険性について報告している調査もあり、牛乳に敏感な患者の約5分の1は、大豆タンパク・アレルギーになると報告されています。従って、国によっては、豆乳より、母乳またはアレルギー誘発性の低い調乳を優先するよう推奨しています。

エンドウマメ、マメ類、レンズマメ、ピーナッツ、大豆を摂取後、IgE介在(依存)性症状を来たした患者の症例が報告されています。.

大豆の粉塵は、吸入アレルゲンとして作用することもあります。大豆が陸揚げされる港湾周辺地区における流行性喘息が、世界各地から報告されています。また、アナフィラキシーによると見られる多数の致死例が記録されています。パン職人および食品加工工場の労働者の間の職業喘息は、大豆粉が原因である場合もあります。

 

 

  f17 ヘーゼルナッツ

アレルゲンに関する記述

セイヨウハシバミ(Corylus avellana)

Corylaceae (カバノキ科)

C. silvestris、C. maxima、C. colurnaなど、コリルス属に属するあらゆる植物の木の実に対しては、「ハシバミ」および「ヘーゼルナッツ」という言葉がしばしば、同義的に用いられます。

これら野生の木の実は、世界中の温帯域に見られるハシバミの木に鈴なりに生ります。ハシバミは、繁殖力旺盛で、とりわけ欧州によく見られます。

ヘーゼルナッツの主要生産国は、イタリア、スペイン、フランス、トルコです。この木の実は通常、秋になると落下します。それらを拾い集め、殻を取り除いてから乾燥させます。

アレルゲン暴露

予測される暴露

ヘーゼルナッツは、刻んだり、荒挽きにしたり、ローストしたり、ゆがいたり、スライスしたりする以外にも、粉末やペーストの形で種々のスイーツの材料として用いられています。ヘーゼルナッツは、スナックとしてそのまま食されます。ヘーゼルナッツはまた、サラダやメイン・ディッシュなど風味が問われる料理に香りや質感を添えます。

予期せぬ暴露

ヘーゼルナッツは、広く用いられており、「隠れ」アレルゲンになる可能性もあります。例えば、糖果など二次製品の成分のひとつ、ヌガーは、ヘーゼルナッツ製品のひとつです。

交差反応

同属の種の間では広範な交差反応が予想されます。ヘーセルナッツとハシバミの木の花粉の間には交差反応が生じる可能性もあります。さらに、カバノキの花粉に誘発される花粉症と、ヘーセルナッツ、リンゴ、キーウィ、ニンジン、ジャガイモおよびその他の野菜に対する感作の間には相関性があります。カバノキの花粉に過敏な患者で、口腔アレルギー症候群を呈する人達の間では、リンゴ・アレルギーまたはヘーゼルナッツ・アレルギーが一般的です。

モミジバススカケノキ(Platanus acerifoliaまたはLondon plane tree)の花粉、ヘーセルナッツ、バナナの間には、重要な交差反応があることや、ヘーゼルナッツとマカダミアナッツの間には部分的交差反応が生じることが、報告されています。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

ヘーゼルナッツは、食物アレルギーの最も一般的な原因のひとつです。アレルギー感作は、成長の早い段階で起こることもあります。ヘーセルナッツに対するアレルギー反応は、口腔アレルギー症候群から重篤なアナフィラキシー反応にまで及びます。カバノキの花粉に対するアレルギー患者には、ヘーゼルナッツに対するアレルギーが高い頻度で認められています。

花粉アレルギー患者において食物アレルギーの症状はたいてい、口腔アレルギー症候群など、軽度かつ口腔に限定されます。花粉アレルギーを合併しないヘーセルナッツ・アレルギーは、あまり一般的ではありませんが、症状はより重篤になる傾向があり、多くの場合、全身性となります。

ピーナッツ(マメ科植物の1種)および木の実(クルミ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ペカン)に対するアレルギーはしばしば、生後1年以内に発症し、概ね持続し、重篤かつ死に至る可能性の高いアレルギー反応の主因となることもあります。

 

 

  f24 エビ

アレルゲンに関する記述

ホッコクアカエビ(Pandalus borealis)

エビジャコ科(Crangonidae)

エビは、浅水域および深水域の至る所で見られます。最も大型の種は、主に太平洋に分布し、クルマエビと呼ばれます。

アレルゲン暴露

予測される暴露

エビの身は、缶入り、パン粉をまぶしたもの、冷凍、殻付き、乾燥といった状態で販売されています。

主要なエビ・アレルゲンの一部は、耐熱性かつ水溶性であるため、調理過程で蒸気エアロゾル(噴霧)の形で空気中に拡散します。

予期せぬ暴露

エビは、魚の加工品やスナック類の一部に、非表示成分として含まれていることもあります。

交差反応

これまでに、エビ、カニ、ロブスター、ザリガニに共通する複数の主要アレルゲンが特定されています。そのうちのひとつがトロポミオシンで、これはエビの主要アレルゲンであるだけでなく、ダニやゴキブリ、その他の昆虫にも見られます。

検出されている7種類のアレルゲン中、2種類はエビ以外の甲殻類に共通していると見られますが、1種類はエビにしか含まれない特異的アレルゲンである可能性があります。

臨床経験

IgE介在(依存)性反応

エビは、食品アレルギーおよび職業性アレルギーの双方において強力なアレルゲンと認められています。多くの小児は、牛乳および卵白に対するアレルギーから脱却しますが、甲殻類に対しては後年も過敏であり続ける可能性があります。

エビ・アレルギーは、成人のアナフィラキシーの一般的な原因です。じんましん、血管浮腫、呼吸器症状および胃腸障害など、その他のアレルギー反応も報告されています。

エビ・アレルギー患者は呼吸器アレルギーを呈することが多く、エビは水産加工業や漁業に従事する人々にとっては職業性アレルゲンのひとつでもあります。

食物依存性の運動誘発性アナフィラキシーは、エビを消費した後に生じます。