吸入性のアレルゲン(花粉)

スギ・ ヒノキ | ブタクサ| ハンノキ・シラカンバ | ヨモギ |

 

 t17 スギ  t24  ヒノキ

いずれもマツ目に属する植物で、両者の主要アレルゲンに共通抗原性が認められます。飛散時機はスギが2月-3月、ヒノキは3月-5月といわれています。 スギは最も重要な花粉症の原因で社会問題ともなっています。 感作、発症も低年齢化しているといわれ、幼児のスギ花粉症例も報告されています1)。 ヒノキとの共通抗原性により、スギ花粉症の約60%がヒノキにも感作されています。このような例では、スギ花粉飛散終了後のヒノキ花粉飛散時期でも症状が持続すると報告されています2)。

 

  w1 ブタクサ

キク科の雑草で、道端、河川敷、荒地、畑地などに生育し、飛散時期は8月-10月で秋の花粉症の原因として上位に挙げられます。主にブタクサとオオブタクサが原因となります。 ブタクサ属のブタクサ、オオブタクサ、ブタクサモドキの間には高い共通抗原性があります3)。ブタクサ花粉症では、スイカ、メロンなどウリ科の果実、野菜やバナナなどによる食物アレルギー、いわゆる口腔アレルギー症候群を合併する例が認められます4)。これは、ブタクサ花粉とこれら果実、野菜との間に共通のアレルゲンが存在するために起こります。

 

 

  t2ハンノキ・ t3 シラカンバ

いずれもカバノキ科に属する植物です。いずれかの花粉に対する花粉症例の約半数は果実アレルギーを合併しています。本州ではハンノキ花粉の飛散時期はスギとほぼ同時のため、ハンノキ花粉症と診断するのは困難です。しかし、東京の鼻アレルギー患者の20%にハンノキ花粉の感作があり、その半数に果実・野菜による食物アレルギーが認められたと報告されています5)。シラカンバはイネ科花粉とともに北海道の花粉症の重要な原因アレルゲンです6)。

  w6 ヨモギ

キク科の雑草で、平地から高山帯まで広く分布し、繁殖力の強い植物です。ブタクサとならび、秋の花粉症の代表的な原因植物に挙げられます。ヨモギ属のヨモギとニガヨモギには高い共通抗原性があります3)。ヨモギ花粉症例でもブタクサ、イネ科などと同様に、ニンジン、セロリなどのセリ科の野菜、リンゴなどによる口腔アレルギー合併が報告されています7)。 

 参考文献

1)増田佐和子ほか.アレルギー外来受診幼児におけるスギ花粉感作状況と幼児スギ花粉症の臨床的検討.アレルギー 2000; 49: 1138.

2)伊藤博隆ほか.ヒノキ花粉に対する特異IgE抗体の検索.耳鼻臨床1993; 86: 957

3)油井泰雄ほか. 花粉アレルギーにおけるファルマシアRAST RIAの臨床的有用性の検討:アレルギーの臨床1989;9:139.

4)福田諭ほか. 果実アレルギーと口腔病変:アレルギーの臨床 1995;15;757.

5)奥田稔ほか.最近注目されている抗原について‐ゴキブリ、ペット、ハンノキ属花粉‐.アレルギーの領域 1998; 5: 761.

6)過去4年間における札幌地方のシラカンバ花粉の飛散と気象との関連、ならびに1997年の空中花粉飛散状況.アレルギー 1999;48;726.
7)Wuthrich Bほか. Celery allergy associated with birch and mugwort pollinosis.:Allergy 1990;45;566.