特異的IgE測定キットの基礎性能評価

特異的IgE測定キットの基礎性能評価

 

 特異的IgE検査に限らず、患者血液中の抗体を測定する検査では、測定対象となる特異抗体が認識するアレルゲンあるいは抗原上のエピトープが多岐に及びます。すなわち、測定対象となる特異抗体は、クラスは同一であっても、アレルゲンや抗原に対する反応性は様々に異なったものの混合物ということになります。このため、生化学検査や、抗原抗体反応を原理としていても、腫瘍マーカーのように抗原を測定対象とする検査とくらべると、抗体検査は精度管理が難しい検査であると言えます。

抗体検査では、精度管理を行う際に必須となる標準品(被検検体)を得ることが困難ということになりますが、キメラ抗体*を利用することで、キット間の試薬品質や測定結果の正確性を評価することが可能です。実際にダニおよびシラカンバに対するキメラ抗体を利用した評価検討では、ファディア社のイムノキャップ法は、抗体価の測定値が最も正確であると示されています。

*キメラ抗体:単一アレルゲンコンポーネントをマウスに免疫して得られた抗体の、アレルゲンコンポーネントと結合するFab部と、ヒト由来IgEのFc部を、遺伝子工学技術の応用により融合させた抗体。ヒトIgEを測定する測定系で検出可能かつ、対応するアレルゲンコンポーネントが単一の特異IgEを得ることができます。

 

1)    Robert G. Hamilton, PhD. Proficiency survey-based evaluation of clinical total and allergen-specific IgE assay performance. Arch Pathol Lab Med 2010; 134: 975-982.

2)    Nicolas Liapppis, Astrit Starke, Olle Lanto, Birgitta Ryden. Investigation of Pharmacia UniCAP100 for in vitro allergy diagnosis. Clin Lab 1999; 45: 229-235

3)    Robert A. Wood, MD, Nathan Segall, MD, Staffan Ahlstedt, PhD and P. Brock Williams, PhD. Accuracy of IgE antibody laboratory results. An Allergy Asthma

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4)    佐藤香奈子. アレルギー疾患患者における血中特異IgE測定キット2法の

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5)    Janine Schuurman, PhD, Gerrard J. Perdok, MSc, a Tom E. Lourens, MSc,"

Paul W. H. I. Parren, PhD, b Martin D. Chapman, PhD, c and

Rob C. Aalberse, PhD. Production of a mouse/human chimeric IgE monoclonal

antibody to the house dust mite allergen Der p 2 and its use for the absolute

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